結合型エストロゲンが使用されているホルモン剤
結合型エストロゲンとは
女性ホルモン剤に使用されている成分です。
卵胞ホルモン(エストロゲン)の一種です。
卵胞ホルモンは体を女性らしく成長させるホルモンであり男性でも女性化作用があります。
女性の体内で分泌される天然の卵胞ホルモンにはエストロン、エストリオール、エストラジオールという3つの種類があります。
どれも作用は同じですが、作用の強さが違います。
結合型エストロゲンは体内でエストロンに変換され、作用します。
エストロンは3つの中で真ん中の強さです。
結合型エストロゲンは妊娠した馬の尿から精製した天然成分のホルモンです。
錠剤タイプのホルモン剤の中で安全性は随一です。
・成分について
結合型エストロゲンは
エストロン硫酸エステルナトリウム
エクイリン硫酸エステルナトリウム
17α-ジヒドロエクイリン硫酸エステルナトリウム
という3つの成分で成り立っています。
この内、エストロン硫酸ナトリウムが体内でエストロンに変換され効力を発揮します。
他の二つは馬特有のホルモンであり、
人には作用しないので尿としてそのまま排出されます。
しかし血液検査をした場合、
この成分も女性ホルモン値に含まれる可能性があります。
女性ホルモン値とは血中の女性ホルモンの濃度のことですが、
そのうちの何%かは効力のない無力なホルモンであり、
数値ほどの女性ホルモン量はないということになります。
ではその無力なホルモンの割合はどのくらいかというと、
プレマリンの場合
エストロン硫酸エステルナトリウム(作用アリ)がおよそ80%、
のこり20%が作用のない無力な成分です。
この20%も検査値(女性ホルモン値)に含まれる可能性があるということです。
半減期
結合型エストロゲンの半減期は6時間です。
半減期とは薬の効果が半減するまでの時間のことです。
半減期に合わせて服用すると24時間常に効果が発揮されます。
男性への効果
卵胞ホルモン剤なので卵胞ホルモンの効果が得られます。
・男性ホルモンの抑制
男性ホルモンを抑制する作用があるので男性的な特徴が薄れていきます。
・筋肉量減少
筋肉が減り手足が細くなり、
女性のようなきゃしゃな体つきになります。
普段使っている筋肉はそれほど落ちないので、
トレーニング次第ではある程度の維持は可能です。
・皮膚の女性化
皮下脂肪がつきやすくなり、
ぷにぷにした肌触りになります。
皮脂の分泌が低下し、水分量が増えるのできめが細かくなります。
女性のようなしっとりなめらかな肌になります。
しかし男性の皮膚に比べ、薄く弱いものになります。
皮脂の分泌が低下する分乾燥肌になりやすくなるでしょう。
・ニキビの改善
皮脂の分泌が減り、
角質も減るためニキビの改善と予防効果があります。
しかしニキビの治療目的ならベンザックの方が優秀なのでおすすめです。
・髪の女性化
髪もホルモンの影響を受けるので、
女性のような細くしなやかなものになります。
・体臭変化
皮脂の分泌が減るので体臭は減ります。
また、においの質は女性のような甘いにおいに変化します。
・はげの改善
男性ホルモンが原因の脱毛症は改善に繋がります。
育毛効果と発毛効果が得られます。
しかしこの目的で使用するならミノキシジルの方が効果が高いのでおすすめです。
・体毛が薄くなる
髪に育毛効果があるのに対して、
髪以外の体毛は逆に薄くなっていきます。
・体型の女性化
脂肪のつき方が女性的になるので女性体型になります。
男性は肩幅が広くお尻が小さい逆三角形型ですが、
お尻に脂肪がつき大きくなるので三角形型になります。
体や顔の輪郭も骨ばったゴツゴツした感じから、
丸みのあるやわらかい輪郭に変わります。
・乳房の発達
胸が大きくなります。
発達の程度は女性と同じく個人差が大きくでます。
一般的に胸は脂肪なので、
痩せ型の方ほど大きくなりにくいです。
胸(乳腺)の痛みや圧迫感を感じる場合は胸が大きくなる前兆です。
副作用
男性ホルモン低下による男性機能の減退が主です。
・性欲低下
男性ホルモンによる本能的な性欲は低下します。
リビドー(性感)は女性的になります。
・吐き気、つわり様症状
服用初期に見られます。
ホルモンバランスの変化によるもので、
朝の吐き気や食欲不振をもたらすことがあります。
2〜3ヶ月で身体が慣れてくるので重く捉える必要はありませんが、
症状が重い場合は服用を中断し、医師の診察を受けてください。
・性的機能不全
男性ホルモンは性欲を亢進させる作用があります。
なので抑制されることで性欲が減退します。
長期服用では勃起不全になる可能性があります。
・生殖能力低下と精子形成障害
長期服用で起こる可能性があります。
生殖能力低下・・・精子を生産する機能が損なわれる可能性があります。
精子形成障害・・・精子自体の機能に影響がでる可能性があります。(受精能力の欠如など)
どちらも子供が作れなくなるリスクに至ります。
これらは服用をやめれば回復する場合もあれば完全に回復しない場合もあるので、
よく考えた上で検討しなければいけません。
精液検査を行えば調べることができます。
まれに起こりうる重大な副作用
・血栓症
血栓症は卵胞ホルモン剤全般にあるリスクです。
血栓症とは血液中に血の固まりができ、血管を詰まらせてしまう病気です。
血栓ができた場所により病名が変わります。
代表的なものにエコノミークラス症候群や脳梗塞、心筋梗塞などがあります。
ホルモン剤には血がドロドロになってしまう副作用があるので、
血栓ができやすくなるのです。
血栓症リスクを軽減できるクリルビタミンを一緒に服用することが推奨されます。
(クリルビタミンについては後述)
血栓症の初期症状
下肢の疼痛・浮腫
突然の呼吸困難
息切れ
胸痛
中枢神経症状(めまい、意識障害、四肢麻痺等)
急性視力障害等
以上の症状が現れたら医師の診断を受けてください。
・肝臓への負担
ホルモン剤は肝臓で代謝されるので日常的に服用すると負担がかかります。
長期服用は肝臓障害のリスクが上がります。
対策としては
定期的な肝機能検査
飲酒をなるべく控える
肝臓の自己診断の方法としては
・黄疸(目や皮膚が黄色くなること)
・吐き気、胸のむかつき
・疲労感
などがあります。
これらの症状がでたら服用をただちにやめ、病院で肝機能検査を受けてください。
・乳がん
女性ホルモン作用により、
男性でも乳がんになる確率が女性並になります。
親族に乳ガンになった方がいる場合には、特に注意すべきです。
全ての副作用を記述していません。
服用の際は商品説明欄に記載されている注意事項をよく読みましょう。
当ページに記載されている内容は安全を保証するものではありません。
記載内容によるいかなる責任も負いかねますのでご了承ください。
女性化目的での服用法
1日の服用量の目安 2.5〜3.75mg
服用間隔 6時間ごとに一定量を服用
・飲み方の例
1日3mgなら・・・6時間ごとに0.75mg
※ホルモンバランスは一人一人違うので必ずしもこの量が適正とは限りません。
あくまで標準的な推奨量です。
飲み忘れたときは気づいたタイミングで1回分を飲みます。
ただし次の服用時間が近いときは飲まずにとばしてください。
(一回分休むということです)
女性化には黄体ホルモンor抗男性ホルモンも必要
結合型エストロゲンは卵胞ホルモンです。
女性ホルモンには
卵胞ホルモン(エストロゲン)
黄体ホルモン(プロゲステロン)
があります。
卵胞ホルモンとは・・・体を女性らしく成長させるホルモン
黄体ホルモンとは・・・生理や妊娠に係わるホルモン
つまり卵胞ホルモンには女性化作用があるのですが、
それだけでは女性化は難しいです。
男性が女性化するためには2つの条件を満たす必要があります。
1 女性ホルモン値を上げること
2 男性ホルモン値を下げること
卵胞ホルモンには1の効果があり、
黄体ホルモンor抗男性ホルモンには2の効果があります。
卵胞ホルモンにも男性ホルモン値を下げる作用はありますが、
女性並みに下げるほどの強さはありません。
女性ホルモンをいくら上げても、
男性ホルモン値が高いとその働きを阻害してしまい、
女性化は起こらないので、
卵胞ホルモンのみで女性化は難しいのです。
一方、黄体ホルモンや抗男性ホルモンには
直接的な女性化効果はありませんが、
男性ホルモンを強力に抑制する作用と卵胞ホルモンの働きを助ける作用があります。
なので卵胞ホルモン+黄体ホルモンor抗男性ホルモン
を服用するのが基本です。
・黄体ホルモンと抗男性ホルモンどっちの方がいい?
どちらも得られる効果は同じですが、
抗男性ホルモンの方が効き目が強いです。
しかしその分副作用や体への負担も大きいです。
黄体ホルモンでも男性ホルモン値を女性並みに下げることは
十分可能なので黄体ホルモンを選択するのが一般的です。
・代表的な黄体ホルモン剤
※商品名が違うだけで成分、成分量は全く同じです。
理想のホルモン値
女性化するための理想は女性と同じホルモンバランスです。
血液検査で男性ホルモン値と女性ホルモン値を調べましょう。
男性ホルモン値は総テストステロン値という項目です。
女性ホルモン値はエストラジオール値という項目です。
この二つが女性と同じ値になれば女性化が最速で進み、
徐々に女性的な身体変化が起こります。
・理想のテストステロン値は35〜60
75ng/dl以下になることが望ましく、
35〜60ng/dlが理想的といわれています。
男性の本来の基準値 277〜1111 ng/dl
女性の本来の基準値 16〜86 ng/dl
・理想のエストラジオール値は20〜200
20 pg/ml〜200pg/mlが理想です。
男性の本来の基準値 16〜71 pg/ml
女性の本来の基準値 16〜331 pg/ml
エストラジオール値は範囲内に収まっていれば数値は特に気にしなくても結構です。
というのも、エストラジオール値は女性でも生理などの周期によって値が激しく上下するからです。
高ければその分女性化するというわけでもありません。
・血液検査の費用
総テストステロン値とエストラジオール値の両方で
2000円程度(保険適用外なら7000円ほど)です。
保険適用でやってもらえるかは医師の方次第です。
・保険適用外とは
保険証があれば医療費は本来、3割負担で済みますが、
これは病気の疑いがある場合に限ります。
病気の症状がない場合や健康診断が目的の場合は
保険適用外となり、
全額自己負担になります。
ホルモン値の検査は保険適用外であり、
本来なら全額自己負担になるのですが、
理解ある医師の方は3割負担で受けさせてくれることもあります。
クリルビタミンについて
クリルビタミンとはホルモン剤のリスクを緩和する目的で作られたサプリです。
主成分であるEPA、DHAが血栓症予防の他様々な健康増進効果がありホルモン剤と相性の良い成分です。
EPA、DHAとは青魚に多く含まれる栄養素でオメガ3脂肪酸とも呼ばれています。
これらには血液をサラサラにする効果+固まりにくくする効果があり、
血栓症リスクを軽減できます。
熱に弱く、加熱調理をすると壊れてしまうので刺身などの生魚からしか摂取できませんが、
クリルビタミンはカプセルタイプなので効率的に摂取できます。
成分は南極のオキアミから抽出しているので環境汚染の心配もなく安心して服用できます。
クリルビタミンの効果
・血栓症リスクを軽減
血小板の凝集作用があるトロンボキサンA?と血小板の凝集抑制作用があるプロスタサイクリンI?を作り出す作用があり抗血栓作用が得られます。
つまり血管内での血液の凝固を防ぎさらにサラサラにします。
・うつ病予防
DHAには実験によりうつ病の予防と改善効果が確認されました。
・肝機能の改善
成分のスクワレンとカキエキスには肝機能改善効果があります。
ホルモン剤やお酒のダメージから肝臓を守ります。
・血液中のコレステロール、中性脂肪を下げる
血中脂質低下作用があり、
コレステロールや中性脂肪を下げます。
悪玉コレステロールを減らす一方で善玉コレステロールは増やす作用があります。
これにより血がきれいになります。
・動脈硬化、高脂血症の予防
血管の負担が減るので血管年齢が若く保たれます。
・高血圧の改善
血圧降下作用があります。
また血流改善も合わさり血圧が正常化します。
・心疾患と脳疾患の予防
心臓病の発症率を5年間で53%低下させます。
脳こうそく、脳卒中、心筋こうそくなど全身の血管系の病気を予防できます。
・アレルギー改善
花粉症やアトピーなどの症状を緩和します。
オメガ3は体内では作れない成分で外部から摂取するしかありません。
不足するとアレルギーが起こりやすくなることがわかっています。
・免疫強化
体の免疫力が上がることでガンなどの予防になります。
・記憶力、学習能力の向上
DHAは脳の老化を食い止め働きを活性させる効果があります。
アルツハイマーにも有効なことが証明されています。
・しわやしみ、たるみの予防
アスタキサンチンという強力な抗酸化力のある成分が含まれています。
肌に紫外線が当たると活性酸素が発生します。
活性酸素は有害な物質で、
シミ、しわ、たるみの原因になります。
ホルモン剤の女性化効果で肌が薄くなると、
紫外線に弱くなりシミやしわができやすくなります。
これを強力に抑えてくれるので美肌効果があります。
また、血流改善によって血液中の栄養、酸素が細胞のすみずみまで行き渡ることで、
若返りや美容効果も得られます。
・視力回復
網膜の脂肪にもDHAが含まれており、
網膜細胞をやわらかくする働きがあることから、
網膜の反射機能を高め、視力の回復に役立つともいわれています。
・肌荒れやニキビの改善
ホルモン剤でホルモンバランスが変化すると肌荒れやニキビが起こりやすくなります。
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