ホルモン治療をうけたい(MTF)

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病院の選び方や始める前に知っておくべきこと

 

 

※MTF(男性から女性へ)の
ホルモン治療を検討してる方用のページです。

 

 

 

女性から男性(FTM)の方は
ホルモン治療をうけたい(FTM)をご覧ください。

 

 

 

 

 

目次

 

 

 

・受ける前に知っておくべきこと
・ホルモン治療でどこまで変われる?
・リスクと副作用
・病院の選び方と治療の流れ
・いつまで続けるの?やめたい時は?
・費用
・治療は早いほうがいい?
・性別適合手術と同等の効果は得られる
・未成年は18から

 

 

 

 

受ける前に知っておくべきこと

 

ホルモン治療(ホルモン療法ともいいます)は性ホルモンを投与することで身体を目的の性に近づける治療です。
男性ホルモンを投与し続ければ男性的になりますし、女性ホルモンなら女性的な外見に徐々に変化していきます。

 

 

 

ですがそれは今ある性別を捨てるということでもあります。
なのでホルモン治療は次の条件を満たしていないとしてはいけません。

 

 

・ 性別が変わった後の生活を十分検討、実践し、問題がないことが証明されている。
・ 性別がかわることによる環境の変化、周囲の変化に耐えれること
・ 性別変化のリスク、ホルモン投与のリスクをしっかり把握できている

 

 

 

ホルモン剤でホルモンバランスを変えるので当然体には負担がかかり、副作用もでてきます。
投与期間が長ければ長いほど、元の性別に戻ることもできなくなっていきます。

 

 

 

開始する前に十分な検討が必要ですし始めるのであれば一生続ける覚悟が必要です。

 

 

 

ホルモン治療でどこまで変われる?

 

主要な変化

 

・男性ホルモンや精子の抑制
・体型の女性化
・乳房の発達
・筋肉量減少
・皮膚や髪の女性化
・体毛の減少
・髪の発毛効果

 

 

ホルモンバランスが女性と同じになるので、体が女性的に変化していきます。
逆に男性的な特徴は薄れていきます。

 

 

 

胸は大きくなります(女性のように個人差はあります)。
筋肉が落ち、脂肪がお尻につきます。
男性は逆三角形なスタイルですが、女性のように三角形のスタイルになります。

 

 

 

皮下脂肪がつき男性のような骨ばった肌触りから女性のような柔らかい感触に全身がなります。
皮膚や髪が女性ホルモンの影響でしっとりした感触になります。

 

 

 

男性ホルモンが減るのでハゲが改善します。
逆に全身の体毛は徐々に薄くなっていきます。

 

 

 

声が高くなることはありません。
骨格も変わらないので肩幅が狭くなるといったことはおこりません。
(筋肉が落ちる影響で多少はなります)
二次性徴前から開始すれば声変わりは起こらなくなります。

 

 

 

ヒゲに関しては生え始める前から開始すれば生えてこなくなりますが、一度生えてからではなくすことはできません。
なので脱毛が必要です。

 

 

 

男性化を消すというよりも止めると言った方が適切かもしれません。

 

 

詳しくはエストロゲンの男性への効果と体の変化

 

 

 

リスクと副作用

 

ホルモン治療のリスクとして女性らしくなるかわりに男性らしさを失うことと、ホルモン剤による健康リスクがあります。

 

 

 

・肝臓への負担

 

ホルモン剤は肝臓で分解されるので肝臓に負担がかかります。
ホルモン療法を始めるには健康であることが条件です。

 

 

・不可逆性の身体変化

 

大きくなった胸はホルモン治療をやめても元に戻りません。

 

 

・生殖能力の喪失

 

ホルモン治療を続けると徐々に男性ホルモンの分泌が減少していきます。
いずれはほとんど分泌されなくなり、ホルモン剤の投与をやめても元にもどらない可能性があります。
この場合、一生子供を作れない体になってしまいます。

 

 

・乳がん

 

乳がんになる確率が女性と同等になります。

 

 

・血栓症のリスク

 

 

ホルモン剤の影響で血液が固まりやすくなるので血管が詰まる血栓症のリスクが上がります。
動脈硬化や心筋梗塞などの重病につながります。

 

 

 

詳しくは女性ホルモン剤の副作用とリスク

 

 

 

病院の選び方と治療の流れ

 

病院で治療を受ける場合は注射+飲み薬による投与が一般的です。

 

 

 

ホルモンバランスを女性よりに保ち続けることで少しずつ女性的に変化していくので、ホルモン剤は常に服用し続ける必要があります。
注射を1〜2週間に1度のペースで打ち、飲み薬は毎日服用し続けます。

 

 

 

また、3ヶ月〜半年のペースで血液検査をします。
ホルモン剤で健康が損なわれていないかチェックするためです。

 

 

 

病院の選び方としては、近場ほど好ましいです。
注射を打ってもらうために1〜2週間に一度のペースで通うことになるからです。

 

 

1週間ごとにうってもらうのが効果の面でも体への負担の面でも良いので、できるだけ1週間でやってもらいましょう。
2週間に一度ですと2倍の量を一度に投与することになるので体への負担が大きいです。

 

 

 

筋肉注射なので同じ箇所に打ち続けると筋肉が固まってしまい痛いです。
毎回打ってもらう場所は変えてもらいましょう。

 

 

 

病院によって料金は違います。
あらかじめホームページで確認しておきましょう。
産婦人科や美容クリニックでうけるのが一般的です。

 

 

 

いつまで続けるの?やめたい時は?

 

基本的に生涯通して継続していくのがホルモン療法です。
ホルモン投与をやめればまた男性化が始まるからです。

 

 

 

とはいえなにか理由があってやめたい場合は本人の意思でいつでも中断は可能です。
投与をやめることで女性化は止まり、また男性化が始まります。

 

 

気をつけなければいけないのは、長期間投与を続けているとやめても男性ホルモンが復活するのに時間がかかる場合があります。
この場合女性ホルモンと男性ホルモンの両方が不足し更年期障害の症状が現れます。
医師に相談し男性ホルモンか女性ホルモンを投与してもらえば症状は軽減するので、時間をかけて少しずつ投与するホルモン量を減らしていき元のホルモンバランスに戻していきます。

 

 

 

費用

 

ホルモン療法は健康適応ではないので治療費は3割負担でなく全額負担になります。
以下は全額負担での一般的な費用です。

 

 

 

注射は一回につき3000〜5000円程度かかります。
〔病院によってかなり差があります。〕

 

 

 

3ヶ月〜半年の間隔で血液検査が入り、この費用が5000円前後です。

 

 

 

飲み薬など全ての費用を合わせると一年当たり20万前後が相場です。
病院によっては10万円も行かなかったり、100万円かかる場合もあります。
自由診療なので治療費は医師や病院が決めることができ、バラつきがあります。
あらかじめ病院やクリニックのホームページで確認したり、医師に直接聞いてみましょう。

 

 

 

治療は早いほうがいい?

 

始めるのが早い方が効果がでやすいというのはあります。
人は性別に関わらず男性ホルモンと女性ホルモンの両方を体内で生産しています。
しかし男性は男性ホルモンが多いので男性化し、女性は女性ホルモンが多いので女性化します。

 

 

男性ホルモン→男性化を促すホルモン
女性ホルモン→女性化を促すホルモン

 

 

 

つまり女性ホルモン剤によって女性ホルモンを優位にすると、その瞬間から女性化が始まります。
ですが、女性化が始まっても過去の変化〔男性化〕がなくなるわけではありません。
例えば30歳からホルモン療法を始めたとしますと、30年分、男性としての成長を積み上げた上に、女性としての成長が積み上がっていくことになります。

 

 

 

わかりやすい例としてはヒゲが生え始める前にホルモン療法を始めるとそのままヒゲは生えてきませんが、生え始めた後にホルモン療法を始めても、ヒゲはなくならず生え続けます。
〔長期的に続けることで薄くなったり、生えてこなくなる場合もあります。〕

 

 

 

なのでホルモン療法は始めるのが早いほど、より目的の性別に近づけます。
第二次性徴〔思春期〕前に始めると、見た目はほぼ完璧なものになります。

 

 

 

とはいえそんな早い時期から開始する方はごくまれです。
人生を大きく変える決断になるのですから、早さよりもよく考えて決めることがはるかに大切です。

 

 

 

また、二次性徴前にホルモン剤(卵胞ホルモン)を使用すると、骨の成長が止まり低身長になります。
卵胞ホルモンは骨の成長点を止めてしまうという副作用があります。
人によってはその方が良いかもしれませんが。

 

 

 

性別適合手術と同等の効果は得られる

 

男性ホルモンは主に睾丸で生産されます。
なので手術で睾丸を早く取ったほうがいいという意見がありますが、そんなことはありません。

 

 

 

睾丸を取ったところで、男性ホルモンが完全に無くなることはありません。
副腎や他の臓器からも少しながら作られています。
睾丸を取らなくても正しくホルモン療法を受ければ、その機能を十分に押さえることができます。

 

 

 

長期にわたってホルモン剤を使用すれば性腺〔睾丸〕は萎縮してしまい、性別適合手術を行ったのと同じ状態になりますのであわてる必要はありません。

 

 

 

未成年は18から

 

ホルモン療法は18歳からでないと受けれません。
また、20歳未満の場合親の同意が必要となります。
2年以上の通院と医者の許可が下りた場合に限り15歳からでもホルモン療法が可能です。

 

 

 

総括

 

ホルモン治療は女性としての外見を手に入れると同時に男性を失うことにもなります。
また、全てが望み通りに変化するわけではありません。

 

 

 

例えばFTM(女性から男性)の方は男性的な筋肉質な体型を望みますが、男性であってもトレーニングをしなければそういった体型は手に入りませんよね。
同じ理由で女性ホルモンを投与してもそれだけで女性的な魅力が手に入るわけではありません。
世の女性はみな美しくなるための努力をしています。
脱毛(女性でもわき毛ははえてきます)、美容、ダイエット、化粧、髪の手入れなどです。
ホルモン療法をすれば楽に綺麗になれるというわけではないことを承知しておきましょう。

 

 

 

そして最も大切なのはあなたがどうなりたいのか、なぜそうなりたいのかをよく考えることです。
後悔しないためにはなぜ?を自分自身に問いかけてみることです。
そうすることであなたが本当に求めているものが見えてきます。
女性になれるだけで満足なのか、
女性になることでなにかを手に入れたいのか、考えてみてください。

 

 

 

その上で必要だと判断したのであれば、ホルモン療法はきっとあなたの願いをかなえる力になってくれるでしょう。

 

 

 

 

 

関連ページ

 

 

 

・病院で治療を受けたい

 

性同一性障害の診断の流れ

 

・ホルモン治療をうけたい(FTM)